今回の展示はイマイチ。
ドキュメンタリーか現代アートっぽい展示。全体の印象をすごく乱暴にザックリ言ってしまうと、
「世界は悲劇に満ちていて、かなり捻れている。人はとても小さくて、ストレス解消はコミックとセックス。」
世界の空気を感じ取ったら確かにこうなるのかもしれないが、作品として見応えのある物が少なくて残念。
「ドキュメンタリーって被写体の事件やら人は新しいけど、別に写真は新しくないしなぁ。」と思ってみたり。夜のスライドショーで発表されるアワードを見ていても特に嫉妬するような新しい物無くて、たいした事無い感じだったから、逆に「新しい事って難しいというか遠い道のりすぎるのかしら〜」って呆然とする。
街中でやっていたスライドショーも有料になった。闘牛場で開催。しかし、小さなトンネルをブースにして上映されたので全然見られなかった。予算規模が縮小して集金方法を考えたのだろうが、スポンサー付きのスライドショーでコレはだめじゃない?今年はお祭りのようなワクワク感が無くてガッカリ。せっかくプロフェッショナルパスを買ったのに満足度今イチ。
それに対してVoise Offのスライドショーは相変わらず見応があって良かった。Voise Offは、アルルとは別組織のフォトフェスなのだがアルルのオープニングウィークに開催される。フォトフェス内フォトフェスっていうか、ちょっとインディーズな感じだけど街中の空き店舗で写真展をしていたり、広場でレビュー、夜スライドショーなどなど企画されている。真面目で、こちらの方が見応えがあるかもしれない。レビューも格安で6€で2人に見てもらえる。レビュアーもアルルとかぶっている事もあるから、こちらで見てもらう方がお得な場合もあり。ただし、予約はレビュー当日早いもん順。ウエブサイトはフランス語のみ。
噴水広場でポートフォリオの鞄を持っている人に声をかけてみたら、「(アルルの方は)私には高すぎる。」と、言っていた。一人当たり3€と28€だもの10倍近い差がある。
街中の空き店舗で写真ギャラリーが出張展示をしている。歩きながら見つけては覗く。いろいろな写真ギャラリーがあって、これも楽しい。
オープニングウィークは、アルルフォトフェスの展示、マーケット、インディーズといろいろな写真が街中にある。
古本屋さんもお店を出している。前から欲しかった本を見つけちゃったりしたら大変。お財布と相談したり重量を考えて嬉しいやら悲しいやら。
アルルの最後の夜だったかに白岡さんに「いまだから言うけどね。」と3年前の写真についてぶっちゃけコメントを貰ったんだ。
3年前、宿泊していたホテルが同じで偶然食堂で会ったので、写真を見てもらった。
当時「もう少し良い写真を見せれば良いのに」と思ったそうだ。「よくあれでレビュー受けたねぇ。」
3年前にアルルのレビューを受けた時はあれが限界だった。
モノクロが煮詰まって1年くらいカラープリントばかりしていて、竹内さんのレビューで「写真の手に負えなさを引き受けなければならない。」と、言われて「え〜。」っと思ったり。アルルに行く年の初め頃に「カラーはもう良いかな」ってモノクロに戻ってみたけど、竹内さんの言葉が頭の隅にあって「そんなん引き受けられません」て写真トリミングしちゃったんだよなぁ。
消化出来ていない感じが残ったままで、正直迷子状態だった。そういう自覚が頭の片隅にあったまま時間切れでレビューになってしまったんだよなぁ。日本で白岡さんに写真を見てもらおうかと思ったけど、ギリギリまでプリントしていたんだよね。
あん時のレビューはホントしんどかったよ。おかげでいろいろ発見もあるわけで…。という事にしておこう。てへ。