10月14日水曜日、小熊英二監督「首相官邸の前で」をUPLINKに見に行った。水曜サービスデーなんだが、監督の小熊さんのトークシェアがある回に見たので通常料金。ちょうど、小熊さんの本読んでるので「本に、ちゃっかりサインしてもらおうかなぁ。」と下心ありありで出かける。
首相官邸前で毎週金曜日に首都圏反原発連合が主催する抗議行動がある。(あるのは知ってたけど、行ったこと無い)反原発のデモが大きくなってたの知ってたけど、まだ、「デモより選挙」って考えは変わらなかった。
いろいろな反原発運動の記録映画。素材の動画は、小熊さん撮影して無いし、小熊さんが撮影の指示をしているものでもない。ネット上にあったもの。みんな動画を撮ってネット上に置いてたんだね。大げさな機材が無くても動画が撮れて、公開する場所があるって事はすごい事だなぁ。監督は、それを探して、編集してつなげている。
小熊さんは元編集者だけど文字の人なので、「映画?大丈夫かなぁ。」思ってたけど、ちゃんと記録映画だった。正しくドキュメンタリー。面白かった。ネット上にバラバラに存在していたものを一つにすることで、記録から記録映画になった。
広大なネットの海にポツーンとある素材を集めて編纂するのは、面白い試みだね。で、これまた面白いのは、その素材の動画に大きな新聞社やテレビ局のものは無いという事。
高円寺のデモ、みっちり人が居た。国会前のデモでペンライト?を持った人たちが溢れる様子だって自腹で空撮されてた。すごかった。で、今の安保法案より警察の警備が緩い。警察車両も少ない。で、安保法案のデモより、みんな楽しそうだ。(誤解されそうな表現だが)
見知った場所が出てきて、知った顔が出てきて、お!っとなる。
当時の首相だった野田さんは、”まるで与党”、当時与党だったわけだが、自民党みたいな受け答えをする。与党ってどうして、当たり障りない、言質取られない受け答えしかしないんだろうね。
そして、インタビューは、とてもシリアスで、時々、泣きそうになる。
福島原発が爆発しても、東京から逃げなかった私は、良かったのか? 多分、確実に良くないだろうな。と、思う。
多分、事故当時の首相だった菅直人は、多分、頑張っただろうと、思える。
反原発の運動は、安保法案反対に繋がってる。
最後のクレジットで、全国で行われたデモやら集会のリストが流れた。沢山あってびっくりした。あぁ。これを全部報道してたら、すごい事になってたはずだ。もしかしたら、今の状況はもう少しマシだったかもしれない。”もし”なんて無いけどね。それに、私は、当時、デモに行かなかった。選挙が全てだと思っていたから。それでも、それを棚に上げて、マスコミは罪を認めて、政府に楯突く意見を報道するべきだよ。と、思う。「報道しない事も報道だ。」と、新聞社に勤めている人から昔聞いた言葉だが、首相官邸前や国会前の抗議活動にも、そのセリフをあてるだろうか?
上映後のトークシェアは、みんなで話をする時間。これ、面白かった。まず、5分ほど、ご近所の人同士で話をする。隣人と何でこの映画見に来たとか、感想など。その後、「言いたい事ある人」「なんでもいいですよ。」って発言タイム。感想、監督の意図、運動の方向性、活動している人の悩み。が、ゴロゴロ出る。出る。そして、長く運動を続けてた人が居て、今に繋がってるって事がわかった。時間足りない。
私も、ちょこっと、話したけど、終わった後から、あれもこれも言いたい事いっぱい出てくる。もっと、自分にとって肝心な事。
小熊さんやりたかったのはコレか。こっちがメインだ。映画はネタか。このお話タイムから何かの切っ掛けが生まれるか?
ちなみに、この映画を見に来てた人はだけど、平日の昼間だから、女性の方が多いかな。年齢も意外にバラけてた、昔デモってたような年齢の人も居た。20代、30代は多くないけどね。
会場で、小熊さんの本じゃなくて、探してた源ちゃんの本を見つけて買う。本屋で見つからないんだよ。w
持ってた本に、ちゃっかりサインしてもらいました。にしし。