何年かぶりで冷やし中華を食べる。暑くても冷たい物は食べないので、珍しい事だ。夏でもアイスコーヒーは飲まないしね。でも、なんとなく冷やし中華って気分だったんだよね。
おつかいに出かけた先で読書三昧。アリエット・アルメル著「ビルキス、あるいはシバの女王への旅」原題は、"Le Voyage de BilqIîs" by Aliette Armel を読み終わる。原題から「ビルキスの旅」って単純な邦題にしなかったんだなぁ。って思っていたら「訳者あとがき」に理由が書いてあった。
"…フランス語の前置詞 de には、所有の「〜の」という意味以外に、起点をあらわす「〜からの」や、目的、方向をあらわす「〜への」など複数の意味がる。…"
画家ピエロとその妻シルヴィアの話とシバの女王ビルキスの旅の過程(シルヴィアの創作)との2つがパラレルに進み、交差する。かなり好きなタイプの小説。
イェルサレムへ旅する過程。ビルキスと侍女ヌールが吸い込まれた砂漠の風景描写は、私の頭の中に、どこかで見た砂漠の写真を脳内にロードさせるが、それに続く文章は、モンゴルの岩ゴツゴツの風景の中で感じた事にリンクする。
…師は、砂漠はあらゆる探求の場所、深い瞑想の場所であると語った。そこでこそ人間は、森羅万象に潜む真実にもっとも近づき、自分自身とふたたびめぐり会うのだと。…
しかし、私はこんな言語化が出来たわけではなく、外界との境目が無くなるような、ハッキリするような不思議な感覚があって、なんとなくココに居たら修行しやすそうだな。って、漠然とした物だけれどね。
ピエロとシルヴィアの関係も面白い。
図書館で借りた本だけど、これは手元に欲しい。
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