夜、道ばたで日付を尋ねられた

風邪で午前中のバイトはお休みさせてもらう。収入が減るけど。

セルフポートレイトを眺めつつ、おばさんになりきった体つきとは反対に、体の中身は子どもの時のままなのが釈然としない。あそこから遠くへ来よう、自由になろうとしていたはずなのに、これっぽっちも距離が稼げず、そのままである事ばかりが強調されてくる。何度スタートラインを新しく引き直しても、お釈迦様の手のひらに居る孫悟空かよ。

カロタイプの店番の帰りに、おばあさんに声を掛けられた。少し腰が曲がっていたけど元気そうなおばあさん。ぺこんって頭を下げて、
「すみません。今日は何日ですか？」
実は、今日が何日か私はわかっていなかったので、答えに困っていた。ほら、バイトに行くのとカロタイプに行く日ってのがわかれば良いので日付は二の次で。
「新聞を取らなくなって。日付が分からなくなって。」
携帯を見れば良かったんだけど。「うーん。五月の。えーっと。月曜日です。」って答えた。
「月曜日ですか。」ってなんだか納得してた。
そのあとに、「よわってしまって。」と言ったかな？
「大丈夫ですよ。」って返事したけど。
元気そうなおばあさんだったけど、ところで、どこに行くつもりだったんだろう。日付のわからないおばあさん。

ああ、グルグルしている間に、あっという間に、私も、そこに到達するんだろうな。