長い作品じゃないけれど、なかなか読み切れなかった「からくりからくさ」やっと読み終わる。
バタバタしていて落ち着かず、装丁が気に入って高遠まで買いに行った本なので無造作にリュックに詰め込む気になれず、というのが原因なんだけどね。
携帯電話もインターネットも無くて電話と手紙の世界の話だから、ネット漬けの生活をしているとそれだけで少しおとぎ話のような気がして来る。Wikiによれば1999年に新潮社から出た作品だから電話と手紙の世界というのありだっただろうな。個人的にはネットでホームページを公開しはじめたのが1996年末で、ネット漬けが加速したのは多分この10年くらいだけどね。
そんな瑣末な事は置いておいて、色の名前が沢山出て来る。頭の中で想像するだけなんだけど美しい感じだ。そこにいろいろな思いがからまって本当に織物みたいな小説だなぁ。最後に”火”でリセット再生。正しいね。以下、作品の中からの抜粋。
呪いであると同時に祈り。憎悪と同じくらい深い慈愛。怨念と祝福。同じ深さの思い。媒染次第で変わっていく色。経糸。緯糸。リバーシブルの布。
一枚の布。
ひとつの世界。
私たちの世界。
こんな風に写真を組めないだろうかと思ってしまうよ。
お天気の良い日にもう一度くらい高遠に行ってみようと思う今日このごろ。ちょっと遠いけど出かけたくなる理由の1つに、実は、東京を出ると深呼吸できる気がするってのがあるんだよね。
東京は空気悪いよ。脱出する事も考えてね。あっちこっち放射能蔓延してるじゃん。
脱出するなら、名古屋以西だね。
投稿情報: たかね | 2011/11/08 22:12