参議院選挙比例区の開票立会人をした時のメモ。1ヶ月近く時間が経ってしまったけどブログにあげてみる。
地元の区議会議員の方から「参議院比例区選挙の開票立会人できる方を探してます」と、声をかけられてお調子者なので例によって深く考えずに手をあげる。その議員さんの党に所属していないけれど立会人の申し込み。
- あっ!その1、バイトのシフト。投開票日の午後バイトは体力温存のために「すんません、定時で帰ります。」宣言をする。開票作業は深夜早朝に及ぶので翌日の午前バイトは「すんません、休みます。」って有給とる。
- あっ!その2、代表する党の比例区の立候補者の全員の名前を知らない。すでに知ってる人、話を聞いたことある人は覚えているが、比例区選挙公報見たら大半知らない。焦る。一応、試験前の人みたいにブツブツ覚える努力をする。
立会人確定
比例の立会人は、比例候補者を出している政党ごとに代表が出る。申し込みが多ければくじ引きになる。立会人に決まったら選管から電話連絡と速達郵便で通知が来るので、事前説明会に出席する。
説明会
事前説明会に出席する。午後の掃除バイト想定外の残業で着替える時間なくて汗だく汚いかっこのまま区役所に走る。
「顔合わせの初対面でこれはないよなぁ。そういえばお腹も空っぽだよ。」と、まるっきり非正規肉体労働者貧困層丸出しで途中のコンビニで調達したオレンジジュースのパックを片手に会場に駆け込む。選管の方に案内してもらった席には、名前が書かれたネームプレートが置いてある。「なんかすごいところに来ちゃったな」と少々ビビる。
他党の代表の人たち、想定以上にみんな涼しそうな人ばっかりで、汚いの私だけであった。選挙区の立会人は地元の区議さんとか選挙出てた「見覚えのあるけど、何党だっけ名前が思い出せん?」って顔が並んでた。(ネームプレートは置いてあるのだが読むのには遠かった。)
説明会では、開票立会人事務要領、投票の効力判定の手引きが配られ、自己紹介、当日の開票作業の流れ、公正な開票作業を行うための注意事項、票の有効無効判定基準の説明。当日の席順を決めるくじ引きをする。
過去2回、選挙の開票作業を見学してるから作業の流れは漠然と理解してた。今回、説明を聞いて、確認作業にかなりの手間をかけていることがわかる。
当日は、会場内に私物、カバン、携帯電話、撮影機器、筆記具、紙類の持ち込みは一切禁止。トイレ、お茶を飲むなどの途中離席は可能だが選管職員に声かけする。作業に支障が出るような長時間の離席は不可(過去に長時間離席して作業が滞った例がある)。軽食を持ち込んで控え室で食べることは可能。
当日の立会人の席順はくじ引きで決める。席なんてどこでも良いじゃんってわけではなかった。(関係者以外の人が紛れ込まないようにするためなのと、出欠が確認しやすいためだと思う。)クジも気合の入ったくじで、アルミの棒の先端に番号が刻印してある不正のできない正規のクジって代物で、必要な本数と番号が揃っていることを全員で確認してから引く。こんなきっちりとやってるのに安倍政権グダグダで、役人もっと怒った方が良いぞ!と思う。
質問タイムで、与党代表の人の判定基準の確認質問が選挙オーラ強くて、負けるわけないのになぁって思うけど、あのオーラが必要なのかもしれんなと思わなくもない。
私、ど素人の質問して、あっ!テヘペロ(*´∇`*) やらかす。帰り際、野党代表と思しき怖くないオーラの方に、「初めてで緊張してます。」と話すなど
当日
午後バイトを定時で上がり、体力回復のためにシャワってご飯食べて寝る。Tシャツにジーンズが正装だろうとお気に入りのTシャツ着て、開票所までガシガシ歩いてやっぱり汗だく。控え室でネームプレートが置かれた席に座る。式典の来賓がつけてる花のリボンを胸につける。テーブルには選挙公報、過去の選挙のデータの資料、お茶、お菓子が用意されている。開票所の入り口では拍手で投票箱を出迎えてる。投票箱は拍手で迎えられるの「なんかいいなぁ」ワクワクする。
選管担当者の案内で会場に入場すると。開票作業するテーブルが会場いっぱいに並んでおり各テーブルには、腕章を付けた作業する人たちが待機している。皆さんこちらを注目しているのでちょっと緊張する。体育館のステージが立会人の席で会場全体が見渡せるようになっている。式典の来賓みたいで落ち着かない。
投票箱を作業台に配置して封印を解いている。
開票作業開始
開票時刻を時報でカウントダウンし「開始」の宣言で、投票箱が一斉に開けられる。空になった箱は立会人の方を向けて空であることを確認。
投票用紙は地区による票の偏り特徴などをわからなくするために攪拌されてから、取り揃えて読み取り機にかけられる。
現場で選管担当者が作業内容を説明してくれる。
読み取り作業
- 読み取り機で読めた票
目視で票を1枚づつ確認して計数する。
- 読み取り機で読めなかった票
人が判読、審査して有効票、無効票に分けて計数する。
立会人は有効無効の判定について意見を述べることができる。選管の担当者が、判定について理由を説明するのだが、こちらは意見を述べる事はできるが最終的な判断は選管が行う。
点字で書かれた票は「〇〇と書かれた」と付箋が付いた状態で立会人に渡されれ確認を行う。
効力判定基準はマニュアルがあるのでそれに従うのだが、判定の時に忘れちゃいけない重要な大前提。
投票した選挙人の意思をできる限り尊重して、その効力を「有効」とする。
計数
計数機にかけて100票の束を作り、5つまとめて500票の束にする。計数方法が違う機械を使って2度行う。念には念を入れ2度もやる。500票の束に他の候補者の票が混じってない事を確認。
500未満の束は端数票としてまとめられる。
立会人の確認後、各党の票として積まれる。
個人名で書かれた票は、50音順に並んだトレイに分類されて随時確認。
集計
積まれた票は合計されて各党の得票数が確定。集計結果を発表する。比例区は確定後に一度発表する決まり。
票数が開票録として正副2冊が印刷され全てのページに判子を押す。
全ての票を段ボール箱に収めて封印し封緘する。封緘は、段ボール箱をテープで封をし、テープが重なった合わせ目に選挙管理委員長と立会人全員が判子を押す。
全ての作業終了03:30過ぎ。「お疲れ様」と控え室を出る。
選挙区は1時過ぎに終わるのだが、比例区は時間がかかる。
感想など
開票の現場は不正をできるような隙は無い。
神奈川のどこかの開票作業所で、作業者が会場にカバンを持ち込んでるいい加減な様子がネットで上がってるの見かけたけど、新宿区に関しては、そういういい加減な対応はしていない。きっちり管理されているし、人が確認しない票は無い。
無効票を確認してると残念な票がある。候補者名、政党名が読めるのに、余分なことが書いてある票は無効になる。
比例区なのに選挙区の候補者の名前が書いてある。
白票の束。白票でも意思表示ができると思ってる人が居るみたいだけど、本当にただの紙束として処理されるだけなので意味がない。推しが居ない人は、どうしても当選して欲しく無い候補者に対抗する人の名前を書くくらいしたほうが良いと思う。選挙はお金と人手をかけて大真面目にやってるので、大真面目に冷笑せずに投票して欲しい。
字をうまく書けない人が頑張って書いたと思しき物で、どうしても読めない物が無効票になってしまう。チェックシートの投票用紙なら救える票、開票の時短になるように思う。
いつもなら開票速報を見ながら「嘘であって欲しい」と思うのだが、目の前で票が積み上がって行く様子は、そんな期待を抱く余地なかった。翌日見た選挙結果のミニチュア版がそこで展開されていた。
選管の担当者が丁寧で親切。質問、疑問にきっちり回答してくれる。お役人のイメージ変わる。
票の山の前で立ち話。「票集まってますね。」と声かけられたり、他の野党の代表の人とは、この前の区議選のことやら「頑張ってくださいよ」とか、実は、どこの党員でもないので応援するなど。
長時間ではあったが、社会見学お子様モードだったので意外と時間が進むのが早く、確認作業色々あって退屈もしなかった。
帰りのタクシーで運転手さんに投票率が低い事などと嘆いてみる。運転手さんは音喜多の票を気にしてたので音喜多推しだったのかもしれない。
選挙の最後の開票作業が、どのように、どのくらい手間をかけて公正に行われているのか確認できて良かった。選挙の信頼性を疑う言葉に惑わされなくなる。立会人できるチャンスは多くないけど開票会場は公開されているので地元の開票会場を見学してみる事をお勧めする。
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